2009年10月24日土曜日

フィリピン情報・デング熱、アメーバ赤痢


熱帯性疾病フィリピン

セブで考えられる熱帯性疾病については、今のところ以下に記すデング熱とアメーバ赤痢のみです。それぞれの疾病の特色を把握して感染予防努めてください。長く住んでいくと感染する危険度はかわないのにもかかわらず気が緩んでいきます。特にデング熱では雨季に感染の確率が高くなります。

 デン グ 熱  Dengue Fever

 日本では馴染みのない名前の感染症ですが、マラリアと同様にアジアや太平洋諸島など熱帯亜熱帯地域に広く分布するウイルスによって引き起こされる感染症です。デング熱は流行する地域全体で年間約1億人の患者が発生しており、昨年は広い地域で爆発的な流行が頻発しました。マラリアと異なり、デング熱を媒介する蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ)は空き缶などに溜まった水や竹の切り株に溜まった水でも発生するために都会で流行することも多く、ある意味ではマラリアよりも感染する危険性は高いと言えます

1 感染源

 デング熱ウイルス(フラビウイルス属で14型まである)を保有している蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカなど)に吸血されることにより感染します。

2 症状

 315日、通常56日の潜伏期(蚊に刺されてからウイルスが体内で増えるまでの期間)を経て、突然の発熱ではじまる。熱は3840℃程度で57日間持続し、激しい頭痛、関節痛、筋肉痛、発疹を伴います。この発疹は風疹と同じような小さな紅斑で、痒みや痛みはありません。また、軽い皮下出血が足腿部、腋下、手のひらに発熱期の最後や解熱後に現れます。

3 治療方法

 一般に対症療法だけで特効薬はありませんが、特別な治療を行わなくても軽症で済むケ-スが多く、死亡率は1%以下であるといわれています。しかし、最近の傾向として、まれにデング出血熱という重症な疾患になる場合が多くなってきております。

4 予防方法

 予防接種も、マラリアに対するクロロキンなどのような予防薬もありませんので、蚊に刺されないようにすることが唯一の予防法です。

 短期間の滞在であれば、防虫スプレ-や蚊取り線香あるいは厚手の服の着用(長袖、長ズボン)である程度は予防できます。電気蚊取器は電力事情が悪い外国(流行地域は全て良くない)では停電などのために使用不能になる場合が多いのでお勧めしません。やはり昔ながらの蚊取り線香が一番です。

 長期の滞在であれば、思い切って蚊帳を購入することをお勧めします。

5 デング出血熱

 一般に流行するデング熱の中でも出血傾向を伴う重症疾患で、その原因は特殊な型のデング熱ウイルスによるもなのか、個人差(遺伝的な感受性の有無)によるものなのかは諸説あり、詳細については明らかになってはおりません。

 主要な症状は一般のデング熱と同じですが、下記の様に異なる点があります

大人よりも小児に多発する傾向があります。

皮下、鼻腔、歯肉などから出血がみられます。

死亡率が10%と高く、治療が遅れれば4050%が死亡するといわれています。



 世界人口のうち、約5億人が従来赤痢アメーバとされた原虫に感染し、そのうち3,800万人が赤痢、大腸炎や肝膿瘍を発症し、毎年4万~11万人が死亡しています。赤痢アメーバは世界各地に分布しています。

1
 感染源
 赤痢アメ-バと同定される原虫の感染は、赤痢アメ-バシスト(嚢子)に汚染された飲食物などの経口摂取により成立します。シストは胃を経て小腸に達し、そこで脱シストして栄養型となり、分裂を繰り返して大腸に到達します。

2 潜伏期間
 潜伏期は23週とされていますが、数ヶ月~数年におよぶこともあります。

3 症状
 病型は腸アメーバ症と腸外アメーバ症に大別されます。

腸アメーバ症
 下痢、粘血便、しぶり腹、鼓腸、排便時の下腹部痛や不快感などの症状を伴う慢性腸管感染症であり、アメーバ赤痢、アメーバ性大腸炎などの病型を含みます。典型的なアメーバ赤痢ではイチゴゼリー状の粘血便を排泄しますが、数日~数週間の間隔で増悪と寛解を繰り返すことが多いです。アメーバ性大腸炎の場合はやはり腹痛と下痢を主症状としますが、下痢の性状は血便、粘液便など多様です。

腸外アメーバ症
 潜伏期は23週とされるが、数ヶ月~数年におよぶこともあります。肝膿瘍が最も多く、発熱(3840℃)、右季肋部痛、同部圧痛、肝腫大、嘔気、嘔吐、体重減少、寝汗、全身倦怠などを伴います。まれに心嚢、肺、脳、皮膚などのアメーバ症も報告されています。

4
 治療方法
 1選択薬はメトロニダゾールです。しかしメトロニダゾールの腸管吸収が速いため、腸管内の虫体を完全に殺滅できないことがあります。そのためしばしばテトラサイクリンあるいはフラミドを併用します。赤痢症状が強いときは食物の経口摂取制限が必要です。

5
 予防方法
 ワクチンは存在しまないので、不衛生な食べ物を食べないようにし、十分に加熱調理したものを食べることが重要です。