熱帯性疾病フィリピン
セブで考えられる熱帯性疾病については、今のところ以下に記すデング熱とアメーバ赤痢のみです。それぞれの疾病の特色を把握して感染予防努めてください。長く住んでいくと感染する危険度はかわないのにもかかわらず気が緩んでいきます。特にデング熱では雨季に感染の確率が高くなります。
デン グ 熱 Dengue Fever
日本では馴染みのない名前の感染症ですが、マラリアと同様にアジアや太平洋諸島など熱帯亜熱帯地域に広く分布するウイルスによって引き起こされる感染症です。デング熱は流行する地域全体で年間約1億人の患者が発生しており、昨年は広い地域で爆発的な流行が頻発しました。マラリアと異なり、デング熱を媒介する蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ)は空き缶などに溜まった水や竹の切り株に溜まった水でも発生するために都会で流行することも多く、ある意味ではマラリアよりも感染する危険性は高いと言えます。
1 感染源
デング熱ウイルス(フラビウイルス属で1~4型まである)を保有している蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカなど)に吸血されることにより感染します。
2 症状
3~15日、通常5~6日の潜伏期(蚊に刺されてからウイルスが体内で増えるまでの期間)を経て、突然の発熱ではじまる。熱は38~40℃程度で5~7日間持続し、激しい頭痛、関節痛、筋肉痛、発疹を伴います。この発疹は風疹と同じような小さな紅斑で、痒みや痛みはありません。また、軽い皮下出血が足腿部、腋下、手のひらに発熱期の最後や解熱後に現れます。
3 治療方法
一般に対症療法だけで特効薬はありませんが、特別な治療を行わなくても軽症で済むケ-スが多く、死亡率は1%以下であるといわれています。しかし、最近の傾向として、まれにデング出血熱という重症な疾患になる場合が多くなってきております。
4 予防方法